ルックの掃きだめ

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アサルトリリィの話 Part2 音楽編

 世界観よりもキャラよりも語らねばならないことがある。音楽だ。

 というわけで消化不良に終わった前回から早速アサリのお話第二弾は音楽編。

 ↓前回はこちら

hrurukku.hatenablog.com

 谷ナオキは神と崇め奉る会会員としてアサリの曲で好きな奴をべらべらとしていきましょうね。全部が全部谷さんの曲でもないのだがまあ。

 

君の手を離さない

 私をアサルトリリィに落とした元凶。最強曲。何時ぞやに書いたちゃんとした怪文書を乗せておくが、曲としての完成度が高すぎる。

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 この曲は夢結の曲だから、色々と歌詞の中に散りばめられた夢結の苦労や苦痛、そして救いが入ってるけど、これをTFGの曲にしたのがまたね。LoGで仲間と大切なシルトを得た夢結が戦って、そこで過去の因縁と出会い苦しむTFGにおいて君の手を離さないで書かれてる夢結の気持ちととてもよくマッチしてる。

 過去の苦しみは消えなくてずっと美鈴の幻影に苛まれてるような状況で一人苦しんでいる中(一人じゃないよ。梅が居ただろこら)手を差し伸べてくれた梨璃や仲間たちの手を取って、助けられながらも上級生として、姉として助けて行こうっていう夢結の感情の変遷がTFGの中でもこの曲の中でも書かれていて、夢結を描いた作品として両者共に素晴らしい出来だし相乗効果でもっとすごいことになってる。すごい。

 あとは歌詞うんたらもそうだが単純に音楽として好きすぎる。曲として何もかもが完璧すぎる。谷ナオキは神。

 冷たい夜の月に思いを馳せて この暗闇引き裂くんだ
 ここの歌詞が大好きすぎるんですけど、夢結の中での一つの大きな決断というか進歩の様に感じて。ルナトラで夢結が苦しんでたのは言わずもがなだし、自分で封印しようとしてたくらいだから当然ずっと苦しんでるんだけど、苦しみは呪縛であって、過去のものには成り得ないもののはずなんだけど、「思いを馳せて」「この暗闇引き裂くんだ」ってワードには、そんなルナトラやあの時の美鈴様を失った瞬間やその後の自分の暗く沈んで自身を苛み続けた日々を過去のものとして見て、その上でそんな苦しみの日々との決別をしようっていう夢結の強い決意と仲間や梨璃を得たことでのそういった気持ちの変化が表れているようで、苦しいけどとても良すぎる。

 あと、TFGのラスト、曲合わせで「だからこの先もずっと 君の手を離さない」で夢結と梨璃が手を繋いで終わるのはとても良い。夢結の方から手を差し伸べてるのはマジで解答。

 

想い出が溢れてる

 舞台曲その2。こちらも怪文書執筆済みですが、夢結の曲だった君の手を離さないとは変わって、こちらは夢結と梨璃の二人の曲かなぁ。

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 舞台曲に関しては、大体誰か主軸となる人物をテーマに書かれているのが基本なので(谷さんがどっかでそんなこと言ってた)、この曲は夢結と梨璃かなぁと。繋がりは多分特定の誰かじゃなくて「リリィ」の歌だと思ってるんだけど、そこから君の手を離さないで夢結の歌をやって、最後に夢結と梨璃の歌をやるのは段階としては綺麗なんじゃないかなぁ。

 LoGは夢結を追ってリリィになった梨璃の話であり、かつ一柳隊や他のガーデンのリリィとの出会いの話でそのまんま「繋がり」をテーマにした舞台で、TFGは上でも言ったけど夢結の話だったり、藍来夢とかもそうだけど、こっちももう一つ出会いのような話なのかな。一口に出会いっていっても全然違うけど。LoGからより深い繋がりになることで、少しずつ闇や見え隠れし始める…みたいな感覚。

 3部作ラストとして作られたLMもまた出会いの話であって、加えて別れの話でもあるわけで。最初の夢結と梨璃の別れに始まって、Lとの出会い、御前、咲朱との出会い、Lとの別れ、琴陽との別れ、咲朱との別れ。琴陽と御前の本当の出会いともいえるし、夢結と過去との別れともいえるかな。
 夢結にとっては実の姉との出会い(再開)になるし、美鈴との記憶も思い出して、特に夢結の過去の話が強く出た作品だったと思うけど、TFGと明確に違うのは夢結と梨璃が一緒に行動しなかったことにあって。TFGでは「君の手を離さない」の言葉通り、LMでも言ってた「梨璃を守り、生きる」の決意をより強く表したものだったけど、LMではそうは行かなくて。心が弱いのよ(突然の天津麻嶺)。

 想い出が溢れてるはさっき言ったとおり、夢結と梨璃の歌だと思ってるけど、歌詞では夢結のところだと思しきところは、君の手を離さないであったような救いを差し伸べるだったり、過去を振り切って前に進んでいくみたいな前向きな部分はあまり無くて。また一人で苦しんでる夢結に対して梨璃がまた夢結に手を差し伸べて、何度でも救いに行く、みたいな心情が書かれてるのかなと。

 夢結はLMでも結局一人で抱え込んで何も言わず梨璃を突き放すようにして御前から守ろうとしたけど(不器用すぎるこの女)、ちゃんと梨璃はそれを汲み取ってまた夢結との繋がりを紡ぎ直そうをする姿が舞台でも歌詞でも現れてるんだよね。

 梨璃が夢結に救いの手を差し伸べる図は、最初の夢結と梨璃の出会いでもそうだったんだけど、当然最初の時とは違くて。二人で、皆で過ごした時間が、想い出があるからこその行動であるっていうのが正に「想い出が溢れてる」ってタイトルそのまんまなんだよね。
 梨璃が夢結に別れを告げられて泣いてたけど、そこから立ち直ってもう一度夢結の元へ行こうとしたのは当然仲間たちが居て、今まで紡いできた絆があって、これまでの想い出があったからまた前に踏み出せた訳で。

 「君の手を離さない」は夢結の決意で、「想い出が溢れてる」は梨璃の想い。この2つのワードの対比は綺麗なものだなぁと。上の怪文書リンクで歌詞になぞらえての怪文書書いてるけど、まあ解釈の話なんで合ってるかどうかはさておき、想い出が溢れてるは梨璃が中心の曲だけど、それは夢結との対話のようなんだよね。
 君の手を離さないは1曲通してずっと夢結の想いや決意の話だったけど、想い出が溢れてるは梨璃の想いでありながら、それだけじゃなくて夢結の言葉を聞いて、夢結の想いや過去を知って、それを受けての梨璃の言葉や行動があらわされてる対話のような書かれ方がされてるのかなって。(夢結と違って)一人よがりに考えて周りを置いて行動するわけじゃなくて、仲間と一緒に、相手の言葉を聞いて行動しようとする姿はまさに梨璃らしいなと。

 「悲しみに手を振って」この1フレーズにLMで描かれた別れの全てが集約されてて、かつLMのテーマ(?)である「同じ道を歩み、同じ空を見上げられるように」ってワードへと繋がるような未来への一歩感があって、これで締めるのズルいな~って思ってる。

 

蝶よ花よじゃいられない

 唐突な御台場。今でも忘れない初めて聞いた時の衝撃たるや。LoGやらTFGで使われてた御台場テーマのアレンジなのだが、(LoGTFG見返して気づいた。遅い)あそこから1曲作り上げられるのすげ~って感じ。

 音使いがすごいというか、聞いてて楽しいよね。色んな所で話されてましたが、御台場は「ジャズ」らしくて、まあジャズには疎いのでよくわからないですが、すごいなんか毛色が今までのアサリの曲とは全然違くて御台場としてのカラーをすごく反映してる。

 御台場は武のガーデンで、強さを見せることに特にこだわってるそうですが、曲の強さに反してというか、歌詞は等身大な女子高生らしさも垣間見えるのがちゃんとアサルトリリィしてて良い。御台場の強さは、余裕であるということに現れてて、柳やルド女ような必死に、がむしゃらにというよりはどことなく余裕を感じさせる雰囲気で、まさに御台場のテーマっていう感じ。

 楪様のラップを入れたのはマジで罪。死ぬしかない。

 「退廃的な愛情は裏返し 前髪で照れ隠し」このワード、特に女の子感を感じられるワードだと思ってて、さっきも話したけど、御台場としての強さ、余裕さを表すような言葉の中にこういうワードを入れてくるのは憎い。
 全体的な歌詞として、「私だけみつめて」とか「虜にさせる」とか「目が離せないでしょ」とか、どことなく女の子らしさを感じさせつつも御台場リリィらしい我の強さみたいな部分も垣間見えるのがあまりにも綺麗。

 

シュベスターの誓い

 ルド女最強曲。雰囲気的には静かで落ち着いた感じが強いけど、少し暗い感じに引き込まれる。そこからサビへの盛り上がりが綺麗。
 曲の雰囲気さながらに、歌詞もちょっと暗い色を出しつつ、「誓い」の言葉通りに未来への希望も感じさせるようで、泣きそうになるね。未来…

 英弱なので、サビの歌詞の「Recite the oath」ってどういう意味なんだろうって調べたんですが、「誓いを立てる」みたいな意味らしいですね。そのまんま。
 ルド女では「誓い」だったり「約束」だったりの言葉の重みが結構大きいよね。シュベスターの誓いの舞台は再演無かったので見たことは無いのですが、シュベスター編の総括として、色んな「誓い」を経て、そこから次のレジスタンス編、「約束の行方」に行くのは流れが綺麗すぎる。

 最後の「君と見た未来を 必ず作り出すから 今、誓うよ」の歌詞はほんとに切なくなるね。幸恵の言葉だろうけど、そうじゃなくても未来と関わった人たちだったり、未来以外でも当然ああいった別れを経験してきたリリィ達皆の言葉だろうから、これで終わらせるのは未来への展望を感じさせて良いね。
 前に話した君の手を離さないとか想い出が溢れてるもそうだけど、最後のワンセンテンスでその先への希望を歌うの、曲としても綺麗だし、アサルトリリィっていう作品においても特に深い意味を感じられて良いよね。

Rainbow

 ゆゆまいを信じろ。サマーライブで爆散したオタクのダイイングメッセージです。

 当方ゆゆまいのオタク、この曲は聖典として崇め奉ってるのですが、ズルいよね…
 歌詞が一貫して、すれ違ってるようでそれでもお互いに通じ合ってるようでって感じで、この二人の関係性で狂いそうになる。ルナティックトランサー!!

 サビの「向かい合っている 今にまもられて」ってところ、ライブとかではまあ当然振りが着くのですが、ここの振りが、向かい合って手の裏を見せて、表を見せてって振りなんですけどこれがどうやら「私の全てをあなたに見せる」みたいな意味合いで付けられた振りらしくて(どっかで話してた)。これ聞いて限界オタクの顔になっちゃったんですけど、何喰ったらこんなの考えられるんだろうね。

 カプ曲は歌割りがそのまんまキャラの言葉になるので割とわかりやすく汲み取れる部類だけど、だからこそ二人の交わるようで交わらないこの距離感に苦しくなってしまう。梅はきっと真っすぐに夢結を見てるんだけど、夢結はどこかそうじゃなくて、ずっと過去に縛られているようで。梅はそれも知ってるから受け入れてるけど、やっぱりこっちを向いてくれないのがどこか辛くて。

 そんな二人の想いのすれ違いと梅様の感情が描かれた最強シナリオ「歴戦乙女のアンサンブル」とかいうやつがあるんですけど、マジであれは良くないね。
 そこら辺の話はまたいつかってことで一旦置いとくとして、歴戦乙女のラストシーン、「私と、踊っていただけませんか?」の告白シーンですが、あれをサマーライブで再現されたので軽率に死ぬよね。殺意が高いなんてレベルじゃない。核兵器だよ。
 梅様がずっと胸にしまい続けてる気持ちが少しだけ現れたようなこのシーン、あまりにも辛いのにRainbowの後にやられるともっと辛い。死んだ。墓は河口湖に沈めてきた。

 

Good-Bye My Rainy Days

 瑤様ソロ曲ですね。初めて聞いた時からやられてしまったこの曲ですが、ちゃんと前を向いているので、幸せな曲でもあるとは思ってる。見習え白井夢結。

 瑤様過去編は中々しっかり語られる機会が無いのでまだまだ浅い解釈であれだけど、最初1番2番で過去の自分と、そこからサヨナラしようとする自分を描いて、ラスサビでちゃんと救われたように前へと進んで行こうと出来る姿はとても強くて…
 ちんはるが話してたように振りというか表情もラストで笑顔になるようにしてて、そこの歌詞の通りに、一人じゃなくて、仲間がいて、居場所があって。そういった場所に出会えたからこそまた前に向かっていくのはあまりにも美しいんじゃ…

 兄弟姉妹を亡くしたリリィは結構いて、各々それに対して苦しんでて、人によってはちゃんと前を向けたりそうじゃ無かったりとあるけど、瑤様はちゃんと前を向けたリリィで。瑤様からはあまり危うさを感じないから大丈夫だとは思うが、このまま前を向いて戦い続けて欲しいね。恋花、お前が隣で支えてやるんだぞ。

 

 

あとがき

 ちらちらと話したい曲はもちろん色々あるけど、とりあえずここら辺で。


 曲解釈がまだ浅いのですっ飛ばしちゃったけど、先日公開されたトウメイダイアリー、これもまたいい曲。ぴちゃんが話してたけど、この歌詞をこのキャラが歌う、の対応付けが綺麗で、コンテンツとしての今までの積み上げを感じられるいい曲でした。
 2番の「一人きりじゃ無理だって」「言ってくれたの嬉しい」が夢結と梅で歌われてたのはゆゆまいのオタクとしてとても良かったです。ところで夢結、それほんとに言った?

 全員曲は当然人数多くなるので中々難しいところもあるけど、ちゃんとキャラそれぞれのことを汲み取ってくれるのはコンテンツとして信頼できる。
 コンテンツの音楽って、音楽的な面とコンテンツに則した面とはどうしても乖離してしまうものが有ったりして、そういう面が乖離してるコンテンツはどうしても両方好きになるってのが難しかったりするんだけど、アサリは大体の曲が理解度高いので良いよね。
 コンテンツ云々別にして音楽を聴くことが好きなので、音楽が良いコンテンツは好きになりたいのだが、音楽とコンテンツに乖離があるように感じてしまうものもいくつか経験したりしてるので、アサルトリリィには頑張ってほしいね。まあ舞台に関しては安心安全信頼の谷ナオキ様が書いてるので不安の余地もないけど。

 音楽の話で、めっちゃ余談ですが、柳周りの音楽で音楽プロデューサーをしてらっしゃるタノウエマモルさん、音楽プロデューサーなので(どのくらい楽曲に関わってるのかイマイチわかってないが)直接作曲とかはしてないだろうけど、あの人の書いた曲もアサリで聞きたいなと。
 というのも別コンテンツというかとあるゲームでタノウエマモルさんが書いた曲に触れる機会があったのだが、死ぬほどいい曲なので、アサリでも是非聞きたいなぁと。もちろん今作曲してくださってる人たちの曲も良いのですが、プロデューサーとして関わってるなら直接作った曲もあっていいんじゃないかなぁ。

 それはそれとして、柳周りでも谷さんにもっと曲作らせて?いや御台場ルド女で死ぬほど忙しいだろうからしょうがないのだが。舞台劇伴に加えてライブショーで歌ものもめっちゃ書いてるからそれに加えて…ってなると谷さん死んじまう。
 ちなみに谷さん、舞台曲はもちろんなんだけど、地味に「いつでもそばで」も書いてるんだよね。もっと書いて。

 谷さん、最近はあんまりだけど前はちょいちょい舞台公演後とかにツイキャスやられてて、そこで音楽の話を色々と聞けたりするのだけど、(アーカイブあったはずなので暇な人は見てね)そういう作り手側の話は本当に面白いよね。トークショーでスタッフトークショーやってたりもしたし、御台場とLMの演出家の佐野さんもYoutubeで話してたりもしてたから皆もっとやってくれないかなぁ。
 書くタイミングが無かったのでここでちらっと余談。想い出が溢れてるの話の時に、曲ごとにテーマとなるキャラが居るって話があったけど、谷さん曰くシュベスターの祈りは聖恋がテーマらしい。これ聞いてとてもビックリした記憶。君の手を離さないの話もツイキャスでしてたんだけど、いつ話してたか忘れちゃって見失ってるんだよな…

 あとがき長くなってしまったが、とりあえずこんなところで終わりましょうか。文字ばっかになっちまったね。

 2月の御台場舞台、舞台新曲に加えてリリコレで出来なかった曲たちも聞けたり御台場ギミラブがあったりで音楽面でも楽しみですね。

 

2023年1月21日